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連載「SIAM™ はじめの一歩」第9回:SIAM™って具体的には何をするの?

2022.11.21

例えば、以下のようなことを行います。(あくまで一例です。)

 

重大なインシデント発生時の協力体制を構築する

複数のサービスプロバイダが関係する重大なインシデントが発生した際に、それら関係者が迅速に協力して切り分けや調査・分析を行うような協力体制を構築します

例えば、オンラインバンキングのサービスにアクセスできなくなってしまったとします(インシデント発生)。故障箇所はネットワークかハードウェアかOSかデータベースかアプリケーションか・・・瞬時にはわかりません。特にITサービスでは、それぞれを異なる企業が管理責任を負っていることが多く、互いに「自社の責任範囲だと分かるまでは対応しない」というスタンスを取る傾向にあります。なぜなら、責任範囲におけるインシデント発生時の目標解決時間を合意しており、遅延するとペナルティ(損害賠償)が発生することもあるからです。また、賠償沙汰にならなくとも、コスト低減の観点から、自社の責任範囲外であれば対応したくない(工数をかけたくない)という心理になることが往々にしてあります。

これは、サービス利用者や事業部門(ここでは銀行事業)からすれば受け入れがたい状況です。

これを解消するために、SIAM™では「ワーキンググループ」や「統合インシデント管理プロセス」等が提唱されています。

 

 


著者紹介

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック
最上 千佳子

システムエンジニアとして提案、設計、構築、運用、教育など幅広く経験。2008年、ITサービスマネジメントの教育とコンサルティングを行うオランダQuint社の日本法人、日本クイント株式会社へ入社。ITIL® 認定講師として多くの受講生を輩出。2012年3月、代表取締役に就任。ITSM、リーン、アジャイル、DevOps等、ITをマネジメントにより強化しビジネスへ貢献するための、人材と組織の強化に従事。2022年4月日本クイント株式会社は、BBTグループの株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックと統合。
著書:「ITIL® はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ(翔泳社)」「ITIL®4の教本 ベストプラクティスで学ぶサービスマネジメントの教科書(翔泳社)」