2022年2月9日・10日の2日間で開催された「第17回 itSMF Japanコンファレンス」に、ITプレナーズはシルバースポンサーとして参加しました。
DX推進をはじめとしたビジネス環境の急速な発展とともに、ITサービスマネジメントに求められる役割は大きく変わりつつあります。そんな中、各社はどのようにITサービスマネジメントを利活用しているのでしょうか。リアルな事例や最新動向を知ることができる本イベントの、基調講演およびITプレナーズによる講演の概要をお届けします。
1日目は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社CIO 小澤 淳氏による、「失敗しないDXのアプローチ」の基調講演から始まりました。
日本国内でデジタル推進がまだまだうまくいっていない実態がある中、失敗しないDXのためには「DXが成長戦略に含まれているか?」「DX Readyな状態か?」と自組織に問いかけることが必要だと小澤氏は語ります。組織の現状や実態を把握するためのアセスメントなどが紹介され、MVPとアジャイルにより、クイックに推進してブラッシュアップを重ねるアプローチの重要性が提言されました。
午前の最後には、ITプレナーズによるスポンサー講演として「ITIL® 4研修講師がそっと教える バリューストリームとプラクティスとプロセスは結局何が違うのかというお話」の動画を配信していただきました。受講生からも質問の多いプロセスとプラクティスについて、上方落語風に楽しくわかりやすく解説した内容です。渡辺講師による軽妙な語り口に、チャットで温かいリアクションをくださった参加者の方々、ありがとうございました!
▼YouTubeでも公開しましたので、ぜひご覧ください!
2日目の基調講演は、株式会社トヨタシステムズ 製品情報管理本部 設計管理IT部 工程・用品G GM 小野 里樹氏による「足元を固めてダイナミックな変化を実現 – データ駆動型カイゼン -」。
トヨタグループのシステム部門を集約している同社は、既存システムの作りすぎによる固定費や更新に伴うリソースの削減を目指し、システムスリム化に取り組んできました。根底にある考え方は、「ムダを無くし、変化への“余力”を生み出す」トヨタ生産方式です。まずは、データを起点とした分析・抽出により既存の機能を削減することに。結果、全体のシステム規模は約45%、データは約35%の削減を実現したそうです。DX実現フェーズの足元固めとして、既存のシステムやリソースを見直した同社の取り組みは、どの企業組織にも応用できるエッセンスが詰まっていました。
2日目の午後には、ITプレナーズの仲間になった日本クイント株式会社 代表取締役・最上 千佳子氏によるitSMF Japan講演「ITIL® 4 全容紹介」が行われました。
講演では、まずITIL® 4の中核となるSVC(サービス・バリューチェーン)、SVS(サービスバリュー・システム)に触れながら、これまでにリリースされている各書籍の概要についても大切なポイントを解説。サービスプロバイダは、顧客に対して価値を提供するだけでなく、さまざまな利害関係者を巻き込んで価値を共創していくためのエコシステムの構成が求められていると述べます。
複雑性が増した現代社会においては、新しいことに挑戦し、悩みながらも適応し続ける・学び続けることが必要不可欠です。それは本来、人間が「楽しさ」を感じるプロセスなのだと語る最上氏。ITIL® 4で得られる学びは、今後ますますITサービスマネジメントの現場に必要とされるはずです。
▼本講演の資料も合わせてご覧ください
▼最上氏による著書「ITIL® 4 の教本 ベストプラクティスで学ぶサービスマネジメントの教科書」が3月16日にリリース予定、予約受付中です!
2年ぶりの開催となり、オンライン形式が初めて導入された本イベント。参加者の皆様にお会いすることはできませんでしたが、さまざまな講演が行われ有意義な2日間となりました。今後もITプレナーズは、DX推進やITサービスマネジメントに携わる方々に役立つコンテンツ・ITIL®など各種プログラムの最新情報をお届けします!