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【参加レポート】海外カンファレンス体験記!アントワープのDevOpsDaysイベントに参加してきました


ITプレナーズの代表取締役を務める岡本です。2018年以来、DevOpsDaysTokyoの運営委員としても6年間活動していることから、今回は2024年9月3日〜5日にベルギーのアントワープで開催された実行委員の集まりである「DevOpsDays Global Organizer Summit」と、「DevOpsDays 15 Year Anniversary Celebration Antwerp」に参加してきました!

私が海外のカンファレンスに参加するのはこれが初めてです。DevOpsDaysTokyoには毎年海外からも多くの方が来場していますが、日本から海外のカンファレンスに行った、登壇したという話を聞くことはあまりありません。実際にどんな雰囲気なのか、日本との違いはあるのか、一歩を踏み出そうと思いながらも気になる方も多いかと思います。このレポートで、海外のカンファレンスに関心を深めていただけたら幸いです。

 

イベント本番前日の9月3日には、前夜祭のような感じで「DevOpsDays Global Organizer Summit」が開催されました。世界中のDevOpsDaysの実行委員が50人ほど集まって、各都市の開催概要や運営の悩みなどを共有し、実行委員同士の懇親を深めました。

クジラの骨格が吊るされたユニークな会場には、本当に世界の様々な地域から実行委員が一堂に集いました。アムステルダム、クラクフ、ベルリン、チューリッヒ、ジュネーブ、ロンドン、パリをはじめとする近場の欧州各都市。そして、ワシントンD.C.、オースティン、シカゴ、ポートランド、アトランタなど北米各都市。また、遠方からはブラジル、シンガポールなど、そして日本のメンバーが参加していました。

開催時期・都市は違えども、全世界でDevOpsDaysというコミュニティイベントを運営する側の悩みは多くが共感できるものでした。マーケティング、参加者の多様性工夫、スポンサー&チケット代、コミュニティエンゲージメントなどのトピックについて、Open Space Techologyで語り合いました。

夜は実行委員に加えて、スピーカーの方々も続々と集まってきます。アントワープ駅周辺のレストランの2Fを貸し切って、前夜祭のようなディナーイベントが開催され、大いに盛り上がりました。

翌日のDay1は、前日の会場から徒歩5分のカンファレンスホールに場所を移し、約250人が参加する「DevOpsDays 15 Year Anniversary Celebration Antwerp」が開催されました。ちなみに、DevOpsDaysTokyoの2024年度の参加者も約250人です。

午前中はパリ、ワシントンD.C、ロンドンの実行委員3人によるオープニングトークから始まり、私は主にKeynoteのセッションを聴講しました。午後は「Ignite」という日本でのLightning Talk的なショートプレゼンから始まり、続いてOSTを実施。クロージングのセッションを聴講した後に、ネットワーキングパーティを楽しみました。
初日のセッション内容としては、全般的にテクノロジーの話は薄めであり、複雑で変化が早い時代において組織やチームが如何にして安定しながら速く価値を提供するか、個人としてどのような学びのマインドセットを持つべきかなどのトピックが多く見受けられました。

イベントプログラムはこちらのリンクもご参照ください。
https://devopsdays.org/events/2024-antwerp/program

パーティーでは、ジュエリー会社のデータエンジニアや、グローバル展開している喫茶店のクラウドエンジニアなど、DevOpsDays Tokyoでは出会わないような業界の方々と話ができたのが新鮮でした。また、Team Topologiesの著者、The DevOps Handbookの著者、DORAレポートのコアメンバーやDevOpsDaysの創始者など、DevOps界隈では著名な方々ともフラットに会話することができ、貴重な時間を過ごしました。

Day2のメインは何といっても、日本からスピーカーとして参加した株式会社カケハシの小田中育生さんによるセッションです。2年連続でDevOpsDays Tokyoに登壇してくださってる小田中さんと、5月のスクラムフェス新潟でお話しし、「一緒にベルギー行きませんか?」とお声がけしてから3ヶ月半。見事グローバルカンファレンスでの登壇機会を掴まれ、この地に至りました。

小田中さんのセッション「Evolving DevOps Teams and Flexible Organizational Culture」は、「日本の医療体験を、しなやかに。」のミッションを掲げるKAKEHASHIにおける、所属するDevOpsチームとその柔軟な組織文化についての発表でした。またMVP、PoC、他のチームとのコラボレーションの3つのフェーズにおける変遷についても紹介されました。一連の新しい機能開発の旅の中で、小田中さんは難しい局面でこそ「なぜ我々はここにいるのか?」と原点回帰の問いを立てたそうです。その存在意義とプロダクト開発の意義をチームで再確認し、現実の課題に向き合っていくリーダーシップの取り方がとても印象的でした。

日本における登壇時と同様に、20分という限られた中で自身の体験に基づいたストーリーを語り、幾度も笑いを取る小田中さん。時には叫びながら聴衆を沸かせている姿は最高でした!

小田中さんのスライドはこちらからご覧いただけます!

 

その後は、ランチ前にはIginiteがあり、ランチ後はOSTという、Day1と同じような運びで進行しました。OSTのトピックとしては、数名がPlatform Engineeringをテーマに挙げるなど、関心の高さも伺えました。Platform Engineeringに取り組む上で、外せないキーワードであるInternal Development Platform/Portal(IDP)。参加したOSTではそのIDPの成果をどのように測るかが議論のポイントになっておりました。

そして夕方のクロージングでは、DevOpsDays Tokyoと同じように運営に関わったメンバーが前方ステージの壇上に上がり、その場にいる全員から最大の拍手で賞賛され、お開きとなりました。良いチームからは良いカンファレンスが生まれると改めて感じました!

3日間のイベント参加を通じて得た知識や、世界中から集まったメンバーとの交流した経験を活かして、これからのDevOps領域の人材育成に活かしていきたいと思います。

現地の空気やセッションの内容など、このレポートでは伝えきれないことも多いので、海外のカンファレンスの様子について気になる!もっと詳しく聞きたい!という方はお気軽にお声がけくださいね!

 


文責:Muneyuki Okamoto