データ&ナレッジ

グローバルITサービス企業のアジャイル人材育成に伴走!1年間の振り返り対談~「Agile Japan 2022」イベントレポートその1~

2022年11月15日~16日、アジャイルに関心を持つあらゆる業種・職種の方が集まり交流を行うカンファレンス「Agile Japan 2022」が開催されました。

ITプレナーズは、本カンファレンスにSilverスポンサーとして参加。オンライン上で2つのミニセミナーを実施しました。それぞれの様子をレポートでお届けします!

1日目のセミナーでは、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社(以下、日本TCS)で全社のアジャイル推進を担う長谷川拓さんをゲストにお迎えしました。実は同社とは2021年のAgile Japanがきっかけで出会い、この1年間、アジャイル人材育成に伴走させていただいた経緯があります。

日本TCSでのアジャイルの組織開発や人材育成について、ITプレナーズのセールス担当・牛越が聞き手となり、長谷川さんにお話をうかがいました。

アジャイル開発案件が急増。実践的なトレーニングの場を求めて

ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューションを提供する日本TCS。全社のアジャイル推進を担う長谷川さんは、支援先のクライアントからもアジャイルのニーズが高まっていると感じ、さまざまな外部イベントへ参加・登壇する機会を増やしていました。

そんな中で一般参加したのが、本セミナーの1年前に開催された「Agile Japan 2021」だったそうです。

日本TCSでは、かねてよりScrum.org™が提供するスクラムマスターの認定資格「Professional Scrum Master™ I(以下、PSM I)」の取得を推奨しています。「PSM I」は他のスクラムマスターの認定資格と異なり、研修を受けずに試験のみの受験が可能です。ITプレナーズが認定資格と連動したオンライントレーニングも提供していると知った長谷川さんは、当社にお問い合わせをしてくださいました。そこから2社の交流が始まります。

長谷川さん

「PSM I」は、他の認定資格よりもスクラムガイドに忠実な点で魅力を感じていました。日本TCSではグローバルプロジェクトなどで海外のメンバーともやり取りが多いため、世界基準での知識を装着することが不可欠だからです。
ITプレナーズでは資格取得に必要な座学だけでなく、演習が豊富なトレーニングを提供しています。実務にすぐに活かせる学びを得られるのではないかと考え、研修受講を決めました。

スクラムマスター未経験の受講者でもスクラムを体得できた

日本TCSからは、これまで「Professional Scrum Master™」集合研修に計16名の受講者が参加しています。スクラムマスターとして現場で活躍中の方だけでなく、これからスクラムマスターとしての経験を積みたい未経験の方も対象に、4日間×半日の形式で実施しました。受講対象者は、社内で希望者を募って決めたとのことです。

受講者の感想を聞いてみたところ「短いサイクルで価値を生むプロセスを体感できた」「全員参加型で考えを促してもらえたのがよかった」という声があったと長谷川さん。

長谷川さん

受講後の社員の様子を見ると、スキルの装着はもちろん、スクラムマスターに必要なマインドセットの醸成にもつながったように感じます。
また、初日に出た「質疑応答の時間をもっと取ってほしい」という受講メンバーの意見を、講師の方が翌日からさっそく反映してくださったそうです。要望に合わせて細かいアレンジを加えていただけるのは、インタラクティブな研修ならではの良いところだと感じました。

研修受講を通じて、社内に「学ぶ文化」が浸透

最後に、「Professional Scrum Master™」を受講してからの社内の様子についてもうかがいました。長谷川さんによると、大きく2つの変化があったそうです。

1つ目は、スクラムマスター未経験だった受講メンバーが、新たにアジャイル開発のプロジェクトに加わってスクラムマスターの道を歩み始めたこと。

長谷川さん

社内外を問わず、アジャイル案件は常に人材不足であるのが課題でした。しかし、研修実施を通じてスクラムマスターの人材育成をできた点は会社にとって非常に良いインパクトがありました。

2つ目は、長谷川さんがリードしているアジャイル推進活動が社内でさらに注目されるようになったことだと言います。

長谷川さん

「Professional Scrum Master™」の受講メンバーを中心に、アジャイルの活動に興味を持ってくれる人が増えました。さらに、人事部と協力して育成プランを策定する機会も持てるように。全社に「学ぶ文化」が浸透してきたと感じ、うれしいですね。
企業の人材育成においては、ただ単に研修を提供すればいいわけではありません。いかに学びを「自分ごと」にしてもらえるかが大切だと思います。インタラクティブワークが中心の参加型研修は、マインドセットの醸成を後押ししてくれると実感しました。


2021年の「Agile Japan 2021」での出会いをきっかけに、その後わずか4ヶ月で研修実施が実現。一連のやり取りは、すべてオンラインで行いました。(長谷川さんとITプレナーズの牛越は、まだリアルで対面ができていないとか)

セミナーの終盤には、「交流」と「出会い」の重要性にも触れられました。現在は、オンライン・オフラインを問わずたくさんの交流イベントが開催されています。アジャイルスクラムの実践者がナレッジを共有するものから、多種多様な業種の企業が集まって情報交換をメインに行うものまで、イベントの目的や趣旨もさまざまです。
まずは興味を持ったイベントに参加してみることで、素敵な出会いが広がるかもしれません。

ITプレナーズも、引き続きさまざまなイベントに参加して行く予定です。皆様と交流できることを楽しみにしています!


ITプレナーズでは、2023年3月・5月に「Professional Scrum Master™ (PSM)」開催を予定しています。

研修は、スクラムの原理原則を忠実に学べる内容となっています。リアルなケーススタディを用意しているため、受講生同士のディスカッションや情報交換を通じて、スムーズな知識習得が可能です。この記載にぜひ受講ください!