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「心理的安全性」をテーマに、BBT大学・斉藤徹先生をお招きして社内セミナーを実施

ITプレナーズでは、6月14日にビジネス・ブレークスルー大学 斉藤徹先生をお招きし、「心理的安全性」をテーマに社内セミナーをオンライン開催しました。

セミナーでは、斉藤先生の著書『だから僕たちは、組織を変えていける』の内容を交えたご講演の後、参加者からの質問にもお答えいただきました。セミナーの概要と、実施の背景や思いについてご紹介します。

セミナーの概要~組織に心理的安全性をもたらすには~

セミナーではまず、21世紀に求められる組織のあり方について「統制」から「自走」が求められるようになったと語られました。

オンライン・オフラインのハイブリッドワークが浸透したここ数年では、管理型のマネジメント手法が機能しなくなりつつあります。また、組織のエンゲージメントが低い企業は、高い企業に比べて生産性に10%以上の差がついてしまうとの研究結果もあるそうです。

その中で、良い組織をつくるためには、成果の追求ではなく「関係の質」の向上から始めることが肝心だと斉藤先生は語ります。

対人関係のリスクを抱えているゆえに、「『こんなことも知らないの?』と言われそうで聞けない」「何か意見を言って険悪な空気になったらどうしよう」と、せっかくのアイデアや提案ができないままでは、組織の成長にもつながりません。

全員がためらわずに活発な対話ができる組織になるためには、3つの「共感デザイン」が必要です。

 

3つの共感デザイン

  1. ホールネス(自然体の自分に戻る、本音で話す)
  2. 他者の尊重(他者の視点に立ち、相手の経験や感情を想像する)
  3. 相互の理解(自ら笑顔になり、オープンに接する)

心理的安全性が確保されると、組織内は誰もが心地よく働ける「快適ゾーン」となります。ですが快適ゾーンに居続けてしまうと、今度は組織内にイノベーションがもたらされません。そこで次に必要となるステップが、「学習ゾーン」への移行です。斉藤先生によると、移行のポイントも3つあるのだそうです。

 

3つの価値デザイン

  1. パーパスの共有(意識を人間関係ではなく「価値醸成」に向ける)
  2. 第三案の共創(思い込みや先入観を捨てて思考・議論する)
  3. 安心感の醸成(場に安心感をもたらすコミュニケーションをとる)

 

講演の最後には、にこやかにお話しいただいていた斉藤先生からの「組織の心理的安全性を築くには、まずリーダーがコミットし、行動を変えることが重要だ」という力強い断言で締めくくられました。

続く質問タイムでは、「どうすれば自然体でいられるか?」「心理的安全性の施策は、トップダウンで行うべき?チーム単位で始めるべき?」「オンラインコミュニケーション前提の職場で必要な工夫は?」などの疑問に、斉藤先生よりお答えいただきました。

参加メンバーが次々に率直な疑問を投げかけながら学びを深めた、あっという間の2時間。それぞれが自分のふるまいやチームの雰囲気について見つめなおす場になったと思います。斉藤先生、素敵なお話をありがとうございました!

※オンラインホワイトボードツールを活用し、参加メンバーからリアルタイムに感想や質問を募りながら進行しました

セミナー開催の背景

ITプレナーズは設立から16周年を迎え、現在の社員数は16名となりました。提供するサービスの領域も広げつつある中で、社会に対してより大きな価値を生み出すために、社員一人ひとりがミッションに対してますます自律的に取り組み、自走できる組織となっていく必要性を感じています。

そこで、成長し続けられる組織の土台づくりとして、社内に「組織開発チーム(通称:ODT)」を発足させました。社員のエンゲージメントを高めることで、お客様へのより良いサービスの提供と価値創造を目指します。本セミナーは、社員が一丸となって同じ方向に進むための取り組みの第一歩として、ODTが主導となり企画しました。

ITプレナーズでは、以前より心理的安全性の重要性を認識し、社内でさまざまな取り組みを行ってきましたが、今回改めて「なぜ今、組織に心理的安全性が必要なのか」について見つめなおす良い機会になったと思います。

心理的安全性がより重要性を増してきた時代背景や変遷、そして社内の役割に応じたふるまいや、心理的安全性を醸成するための具体的な方法を斉藤先生にお話しいただき、学びを深めることができました。

 

ハイパフォーマンスを実現する環境構築においては、ITツールの導入や働き方改革などでハード面を整えることも重要です。しかし、何よりも大切なのは、目に見えづらい心理的安全性やカルチャーの醸成など、ソフト面を充実させ、さまざまな場面での共通認識を持つことだと考えています。

セミナー開催にあたっては、ITプレナーズが目指す世界を共創していただいている研修講師パートナーの方々にも声をかけ、参加していただきました。これからも、関わっていただいている皆さまと共に学び合いながら、楽しく価値のある仕事をしていきたいと思っています。

参加メンバーの声

・他者の気持ちを尊重しながら、自分らしくハッピーに働ける組織作りを、みなさんと一緒にしてゆけたらいいなとセミナーを通じて改めて考えさせられました。ありがとうございました!

・心理的安全性がなぜ必要なのか改めて再認識できました。空気を読むのはいいが、同調はよくないというのは考えさせられるものがありました。言い方や伝え方に工夫が必要だと感じました。

・無意識にいい人の仮面をつけてしまったり、推論のはしごを駆け上がってしまったりする自分に気づきました。まずは自分から、思いやりを持ち、持つだけでなくきちんと伝え、心理的安全な場を作っていきたいです。


斉藤先生の著書『だから僕たちは、組織を変えていける』 公式サイト

https://dakaboku.jp/