事例紹介

さまざまな年次・階層のメンバー複数名で受講、全社DX推進の原動力に

株式会社ロピア様
研修事例
2022.8.23

「DX推進への取り組みをどのように始めるか」。変化が激しく、ビジネスとITの関係が切っても切り離せなくなった現代社会において、多くの企業が抱える悩みではないでしょうか。

「DX推進 基礎講座 ~業務の視点から考える~」は、そんなDX推進の第一歩を踏み出せるように設計された、異業種参加型のオンライン講座です。

2022年5月の開催回では、愛知県に本社を置くチルドスイーツの製造開発会社である株式会社ロピアから6名様にご参加いただきました。「DX以前に、IT全般に対する苦手意識を持つメンバーも多かった」という皆様が、講座を通じてどのように学び、変容を起こしていったのでしょうか。

受講者である代表取締役社長の吉田直哉様、同社の伊藤有希様、真柄友香様、谷島有貴様にお話を伺いました。


DX化を、全員が「自分ごと」として推進できる組織を目指して

—貴社の事業内容をお聞かせください。
吉田さん

ロピアは、チルドスイーツの開発製造会社です。コンビニエンスストアのプライベートブランドを共同開発・製造するほか、スーパーマーケット向けに自社ブランドの製品を卸しています。

 

私は2017年に、ロピアの社長に就任しました。当時は、本社所在地の愛知近隣エリアから全国規模へと事業を本格展開させるタイミング。企業の変革を推進するために、業務プロセスや収益性の改善、組織風土文化の構築にも力を入れて取り組んできました。

—今回、吉田様と一緒に講座を受講された皆様の担当業務についても教えてください。
伊藤さん

営業職として、スーパーマーケットに対して自社ブランド製品のご提案を行っています。社内の開発担当とすり合わせながら新しい商品を作っていくのも業務の一つです。

真柄さん

商品開発グループのマネージャーを務めています。主な業務は、メンバーの育成や、良い商品づくりのために製造・営業など他部門との連携や調整を行うことです。

谷島さん

私は製造部にて、生産管理業務に従事しております。スケジュールやシフトの作成、在庫計画立案、中長期製造計画を立てるのがメインの業務です。

—なぜ「DX推進 基礎講座」を受講しようと考えたのでしょうか?
吉田さん

「DX」という言葉がビジネストレンドになって久しいですが、いよいよ私たちも自分ごととして取り組む必要があると考えていました。私も現場の社員も、全社的に考え方をアップデートするために、この「DX推進 基礎講座」がマッチしそうだと思ったのです。

 

実は以前、業務効率化を狙いとして社内にITツールを導入したのですが、運用がうまくいかずに利用をやめた経験があります。振り返ると、「導入すれば便利だろう」という思いが先行し、そのツールを活用することによって、最終的にどんな成果や顧客への価値提供につながるのかを考えられていなかったのが反省点です。

 

結果、現場に意義が浸透せず、うまくツールを活用しきれませんでした。そこで、トップや幹部層がきちんとコミットし、DXの意識を全社に啓蒙していけるプロセスを体得したいと考えました。

講座を通じて「DXとは何か」「現状分析の大切さ」を学べた

—貴社からは、吉田社長をはじめ6名の社員様に講座を受講いただきました。受講者はどのように決まったのでしょうか?
吉田さん

まずは、今後率先して組織をリードしていただきたいメンバーを各部門長から推薦してもらいました。その際、年次や階層はあえて絞らないようにしました。各部門の課題や改善点について、さまざまなレイヤーの視点から意見を吸い上げたかったからです。

 

これからの会社経営のあり方として、経営者や管理職も自ら手を動かし、進化していく姿勢が欠かせません。行動変容を起こすためにも、多様なメンバーと共に「DXとは何か」を体得できる機会にしたいと考えました。

—講座を受講した感想をお聞かせください。
伊藤さん

私はもともとITリテラシーに自信がなく、DXの意味も正しく理解できていませんでした。そんな私でもわかりやすく、1から基礎を学べる内容だったと思います。

 

また、今まで社外の方と業務上での関わりがほぼありませんでしたが、さまざまな企業の方とグループワークを通じて交流できた点も良かったです。ワークを通して外部のやり方や知見に触れられたので、視野が広がりました。

真柄さん

はじめに座学部分でDX化のステップを示していただき、自社の立ち位置をしっかりと把握できたことが一番の収穫でした。

 

いきなり「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組もうとしても、なかなか難しいですよね。講座では、その前に「デジタイゼーション(Digitization)」と「デジタライゼーション(Digitalization)」という段階があると解説いただきました。

 

ロピアの現在地と次に目指すフェーズを正しく知れたので、DX化に向けて一歩踏み出すためのハードルが下がったと感じました。

DX実現のための3ステップ(本講座資料より)
谷島さん

業務フロー・プロセスを可視化する手法である「Value Stream Mapping(VSM)」は、複雑そうで自分にできるのか不安でした。ですが、受講者の皆さんとアイデアを出し合いながら一緒に進められたので、すんなりと自分の中に落とし込めたと思います。

 

また、ロピアからの受講メンバーはDXに関する理解度がまちまちでしたが、講座のインプットで共通認識を得られたのは良かったですね。今後、社内のDX化に向けて全員が同じ目線に立てたと思います。

—講座で一番の学びは何でしたか?
伊藤さん

まずは現状を把握し、業務の流れを可視化することの大切さです。そこから分析して、さらに「成果を上げるために、こういう方法もあるのではないか?」と考えられるようにもなりました。

 

営業部のメンバーは、仕事への思いや高い達成意欲を持つ人ばかりです。一方で、部署全体で物事を構造化して考えたり、業務プロセスを俯瞰して見直したりすることはあまりできていなかったと感じます。私も、どちらかというと1人で粛々と営業活動を進めていく仕事のスタイルでした。

 

ただ、業務や仕組みを何かしら変えようと思ったとき、人を巻き込んで行動していくことが肝心なのだと学びました。講座内でのワークショップの成功体験のおかげです。

真柄さん

世の中に便利なツールやパッケージシステムはどんどん増える一方で、自社にとっての最適な選定基準を持つ難しさを感じていました。

 

ですが、研修を受けて「何を選ぶか」の前に、そもそも現状の仕組みや業務フローを見つめ直すプロセスが不可欠だと知ることができました。それを踏まえて一番マッチするものを選んでいけばよいのだと、道筋が見えて安心感が生まれたんです。

谷島さん

真柄さんに同じくですね。これまで成果を明確化しようと「ITツールの選定・導入」を先行して取り組んでいましたが、どのようなステップでDX化を進めていけばよいかが明確になり、DXに対する知見が深まりました。

 

また、ワークショップで使用した「Mural」のようなオンラインホワイトボードツールは、複数名で集まって意見出しなどを行う際に非常に役に立つと感じました。講座をきっかけにこういったツールの存在を知れたことも良かったです。

吉田さん

メンバーのコメントが心強く、うれしいですね。受講前は「ITに苦手意識がある」「DXって、実際に何をすればよいかわからない」との声も上がっていましたが、講座のおかげで不安が払しょくされたのではないでしょうか。

オンラインホワイトボード「Mural」を活用してワークショップを実施

DX化の第一歩として、全社横断でVSMプロジェクトが始動

—「DX推進 基礎講座」受講後、社内ではどのような変容が生まれていますか?
吉田さん

講座内でワークショップを行ったVSMを、社内に持ち帰ってさっそく実践しています。組織の拡大に伴い、自社の業務フローを正確に把握している人がいないことを課題に感じていました。VSMによる可視化で、DX化の第一歩を踏み出せればと考えています。

 

今回は、幹部層にそれぞれテーマの設定をしてもらい、講座の受講メンバーが進行をフォローする形を予定しています。

真柄さん

幹部層の人と協働してプロジェクトに取り組める貴重な機会なので、とても楽しみです。

 

また、私は他部署とのやり取りも多い立場なので、各部署のマネージャー陣とも「それぞれの業務や役割を可視化し、組織全体としての今後のあり方を考えよう」と、VSMの取り組みを進めています。あらゆる場面で活用できるのがVSMの良いところですね。

—講座での学びをさっそく社内で実践していただけているとのこと、うれしく思います! 最後に、今後の展望をぜひお聞かせください。
吉田さん

1社から参加できる最大人数の6名で受講しましたが、複数名で学びを共にすることは、社内でDXを推進しやすくなるという大きなメリットが生まれると実感しています。今回の受講メンバーと共に、組織全体にDXの考え方を浸透させていきたいですね。


お客様情報

社名  株式会社ロピア
創立  2008年10月
従業員数 約850人
本社 愛知県清須市下津町北下河原1-4
ウェブサイト https://www.ropia.co.jp/

DX推進 基礎講座 ~業務の視点から考える~

開催方法:オンラインライブ研修(Zoom)、e-Learning、テキストディスカッション
参加者定員:24名 ※最小催行人数12名 ※一社複数名を推奨(最大6名迄/社)
参加費:8.8万円(税込)


※取材は2022年7月に実施しました。
ライター:Yui Murao