事例紹介

領域の広いDevOpsを体系的に学ぶトレーニングで、偏りがちな知識を満遍なく習得

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様
研修事例
2021.6.3

「メンバーが持つDevOpsの知識を均一にしたい」
お客様にDevOpsの導入支援サービスを提供していた伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドインテグレーション部は、その思いから、DevOpsの知識が満遍なく学べる「DASA DevOpsファンダメンタルコース」をメンバー全員が受講しました。
当時クラウドインテグレーション部の部長であり、現在DASAアンバサダーとしても活躍されている小岩井裕さんに、「DASA DevOpsファンダメンタルコース」実施のきっかけや、その後の成果についてお話をうかがいました!


小岩井 裕 氏
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
Buildサービス推進チーム
エグゼクティブエンジニア

DevOpsの幅広い領域で、知識の偏りをなくす必要性

― 小岩井さんのチームは当時どのような業務を担当していましたか?
小岩井さん

クラウドインテグレーション部では、DevOpsの導入支援サービスを提供していました。DevOpsの範囲はとても広く、テクニカルな部分もあれば組織的な部分もありますが、サービスとしては環境構築のインテグレーションが中心でした。

― どういった課題を抱えていましたか?
小岩井さん

導入支援サービスを提供していたので、もちろんチームメンバーにはDevOpsについて一定の知識がありましたが、DevOpsはカバーしている領域が広いので、知識に偏りがありました。テクニカルな部分は知っていても、マインドやカルチャーについては知識が不足していたり。そのため、メンバーの知識レベルを均一に揃えたいという思いはありました。

また、メンバー同士だけでなく、お客様にサービスをデリバリーする中で、お客様とも知識レベルを合わせたい場面も出てきました。その点でも、あらためて体系的な知識の習得が必要と感じていました。

DASAコンピテンシーモデルに基づいた、体系立ったトレーニング

― DASAとの出会いと、「DASA DevOpsファンダメンタルコース」を実施したきっかけについてお聞かせください。
小岩井さん

DevOps・アジャイルを普及するためのコミュニティであるDASAには、2018年にDevOps関連のMeetUpに参加したことをきっかけに出会いました。

そこから、DASAが提唱しているコンピテンシーモデルを知りました。このモデルは、4つのスキルエリアと8つの知識エリアで構成された12の項目から成り立っていて、幅広いDevOpsの領域を網羅しています。インフラやプログラミングの知識まで、スキルレベルを明確に定義しているので、自分たちが今どのレベルにいるかを把握するのに参考になりました。

そして、ちょうどメンバーの知識の偏りをなくしたい、という課題があったので、DASAが展開しているトレーニングの中でも、基本のコースである「DASA DevOpsファンダメンタルコース」をメンバー全員で受講することにしました。

DASAのコンピテンシーモデル
― 「DASA DevOpsファンダメンタルコース」の良かった点についてお聞かせください。
小岩井さん

「DASA DevOpsファンダメンタルコース」は、DevOpsを理解するために必要になる広範囲の内容が体系的にまとまっているので、DevOpsの基本を理解するのを目的とした方には最適だと思います。

私のチームはすでにDevOpsのサービスを提供していましたが、これから社内で新しくDevOpsプロジェクトを立ち上げようという方にもおすすめの内容です。プロジェクトの初期のフェーズで、チームのメンバーや関係者の方と知識レベルを合わせることはとても重要ですから。まず関係者を巻き込んでとりあえず受けてみると、共通言語ができるので、きっと後のフェーズが楽になると思います。

― 小岩井さんのチームでは既にメンバーに知識がありましたが、DevOps初心者が受講したらどうでしょうか?
小岩井さん

広範囲をカバーしている研修なので、理解度には個人差があるとは思いますが、受講にあたって何より大事なのは興味を持つことです。
まず「DevOpsを適用したらどういう状態になるのか」のイメージがつけば、一定の興味が持てると思います。その状態になるために具体的にどういうことをするのかを知るのが、この研修の内容ですから。
どういう状態になりたいのか、マインドをしっかりセットした上でこの研修を受講すると、要所要所で参考になるところがあって、実務で活用したい部分が必ず見つかると思います。

研修を受講したメンバー

知識の偏りをなくし、全体を俯瞰して見られるようになった変化

― 研修を実施したことによる、チームメンバーの変化はありましたか?
小岩井さん

DevOpsの領域について満遍なく学び、知識の偏りをなくし、お客様とも知識レベルを合わせるという、当初の目的は達成できました。また、満遍なく学んだことで全体を俯瞰して見られるようになったので、その点でも効果があったと思います。

― 小岩井さんの現在の取り組みと、今後の活動について教えてください!
小岩井さん

今、私が関わっている様々なプロダクトやサービス開発の支援においては、DevOpsやアジャイル開発が当たり前の手法になってきています。その一方、それぞれの本質を理解しないまま適用してしまうと、うまく機能しないケースも出てきます。そこを、しっかり機能するよう本質の理解を促進し、自分たちが関わる新しいサービスやプロダクトが一つでも増えていくようにしていきたいと思っています。

また、2018年から続けているDASAアンバサダーの活動では、年に数回講演をしたり、DevOps普及に向けたコンテンツの作成を進めたりしています。今後はもっとコミュニティの規模を広げて、活動を増やしていきたいですね。

お客様情報 - 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

■ 事業内容: コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、情報処理サービス、科学・工学系情報サービス、サポート、その他
■ 本社所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル
■ 設立年月日:1979年7月11日
■ 資本金:21,763百万円
■ 従業員数:単体 4,594名、CTCグループ 9,333名(2021年4月1日現在)
■ ウェブサイト:https://www.ctc-g.co.jp/


DASA DevOpsファンダメンタルコース

この2日間のコースでは、受講者にアジャイル、DevOpsの主要な原則を幅広く紹介します。
DevOps Agile Skills Association(DASA)によって定義されている12の主要な知識とスキルの能力すべてを網羅したコースです。 主要なDevOps概念と用語、ケーススタディやシナリオ、グループディスカッション、およびコースに含まれる事例によって、DevOpsの基本的な知識を習得します。


※取材は2021年5月に行いました。

ライター: Nanami Hirokawa