事例紹介

IT運用から、お客様の価値を「共創」する存在へ。研修で感じたITIL® 4の実践的な学び

受講者の声
2021.11.15

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックは、2006年よりコンテンツプロバイダーとしてたくさんのお客様にITマネジメント研修のサービスをお届けし、2021年で創立15周年を迎えました。15周年特別企画インタビューとして、2019年より研修を受講いただいているメタ安寿さんにお話をうかがいました。


総合コンサルティングファームに勤め、クライアントの戦略パートナーとして活躍するメタ安寿さん。2年前にITプレナーズで「ITIL® 4 ファンデーション」を受講されました。
それまでは、ITインフラのアウトソーシング支援を担当していましたが、ITIL® 4が提唱する顧客との「価値共創」の考え方に触れたことで現在のキャリアに繋がったと語ります。
メタさんに、ITプレナーズの研修を受講した感想、その学びを実務にどのように活かしたのか詳しく伺いました。

プロセス導入の手前からお客様と深く協働するために

―メタさんのご経歴について教えてください。
メタさん

新卒では外資系IT企業に入社し、インフラ運用チームとITサービスマネジメント(以下、ITSM)チームの管理をしていました。オペレーション業務に携わるうちに、「もっとお客様のプロセス改善から関わりたい」と考えるようになり、現職のコンサルティングファームに転職したんです。

転職後は、ITSMのプロセス設計から導入、それに伴うシステム・ツール導入までと、ITインフラのアウトソーシングのサポートなどを行ってきました。テクノロジーの力でお客様の課題解決と事業の発展を目指すのが私の役割です。

―ITプレナーズの研修を受講したきっかけはなんでしたか。
メタさん

ITIL® 4が日本でも受講できるようになり、現職の会社から勧められたのがきっかけです。転職前には、ITSMの分野について深く学びたいとITIL® V3の資格をすでに取得していました。その経緯もあり、当時の上司に声をかけてもらったんです。

私自身、お客様により価値を感じていただくためにもっと知見を深めたいと思っていたので受講できるのが嬉しかったですね。

―受講前には、どのような学びを得たいと考えていましたか?
メタさん

単にプロセスを正確に遂行するだけでなく、お客様と価値を共に追求していけるようにより高い視座を持たなければならないと感じていました。

業務を進めるにあたっては、ウォーターフォール型の手法が主流です。どのプロセスをいつまでに書き上げて、いつまでに展開させて、それに適用するシステムをどのように作ってリリースするかというスケジュールがあらかじめしっかりと引かれてます。

プロセスを導入する背景には、ITという手段で解決するべきビジネス課題があるはずですよね。経営層や部長クラスの方々はそこをしっかりと理解されている一方で、現場では「降りてきたタスクを迅速かつ正確にこなす」こと自体が目的になってしまうケースも少なくありません。

その現状を打破するためには、プロセス運用の手前からお客様の目的や課題をお聞きして、何が最適なのかを一緒に考えていく必要があると考えていました。ITIL® 4を学ぶことで、そのヒントが得られるのではないかと期待していましたね。

研修での実践的な学びが業務の成果につながった

―「ITIL® 4 ファンデーション」を受講してみての率直な感想をお聞かせください。
メタさん

まずは、非常にインタラクティブで学びが多かったです。まるで大学のゼミのような活発さを感じました。その理由は、知識のインプットだけでなく学びをアウトプットする演習やグループワークが豊富な点にあると思います。わからない点も都度質問がしやすく助かりました。

また、ITIL® 4は抽象的な概念表現も多い中で「実務にどう活かせるのか」ということを講師の方が解説してくださり、理解がスムーズでした。公開講座だったので、多様なバックグラウンドを持つ受講生の方々から各社の実例が聞けるのも非常に参考になりましたね。

―学びを実務にどう活かせていると感じますか。
メタさん

プロセスの設計や改善に留まらず、クライアントの課題解決をゴールに考える姿勢が身についたと思います。

ITIL® V3はどちらかというと実務におけるノウハウの位置づけだったので、プロセスの導入においてガイドラインを直接当てはめて使うことができました。一方でITIL® 4はバリュードリブンで、ビジネス寄りの考え方を示した内容だと感じます。そのため、プロセス提供の価値をどうビジネスに繋げるか、より広い視野で考えられるようになりましたね。

―ITインフラのアウトソーシング業務だと、ビジネスへ直結する成果を可視化しづらい部分もあると思います。どのような場面で学びの効果を感じますか?
メタさん

お客様の課題解決のため、既存のフレームワークに落とし込むだけではなく、そもそもどんなプロセスがベストなのかを一緒に考えられるようになったときですね。

お客様に対し、ITIL® 4で学んだ考え方を示すことによって、今後の進め方についてご提案をさせていただく場面も増えました。現場の方々と密にミーティングを行い、アジャイル形式で回していくワークショップも次々に開催していったんです。

その結果、担当したお客様から「アイデアを積極的に出してくれて、一緒にプロジェクトを進めてもらえたのがよかった」とおっしゃっていただけて嬉しかったですね。

―まさに、期待していた成果を実感されたんですね。
メタさん

今までは、私たちのような立場は単なるアウトソーサーでもよかったかもしれません。ですが、これからはますますDXの推進も必要となります。その際に、ITIL® 4で顧客との「価値共創」の考え方を学べたことはとても実務に活きましたね。

ITIL® 4が掲げる「価値共創」のさらなる体現を

―メタさんが思う、ITプレナーズの魅力はなんでしょうか。
メタさん

ITプレナーズは、当時海外でしか受講できなかったITIL® 4をいち早く国内で展開したりと、最新の情報を発信してくださる点が魅力です。

また研修内容も、資格の取得がゴールではなくそれをどのように実務に活かすのかというところまで踏み込んでくれる構成になっています。教えてくださる講師陣の方も素晴らしいなと感じますね。

―ありがとうございます。最後に、メタさんの今後のキャリアにおける抱負と、ITプレナーズに期待することを教えてください!
メタさん

ITIL® 4の受講をきっかけに、IT領域だけでなくお客様の事業や経営の総合的な戦略設計に伴走したいと社内異動をしました。ITIL® 4の考え方を自分なりに突き詰めて、「価値共創」をできるように今後ますます努力していきたいですね。

企業内のIT部門とビジネスサイドは、どうしても相互理解をしづらい関係性にあると感じます。今までの経験や知識を活かして、両者の架け橋になっていけたらとも思っています。

ITプレナーズには、ITとビジネスを組み合わせた研修を提供いただけたら面白いかもしれません。引き続き、新たな知見を深く実践的に教えていただける場であってほしいですね。



※取材は2021年10月に行いました。
ライター: Yui Murao